毎年この時期になると、釣り業界は少しずつ活気が出てくる。
2月には各メーカー最新のアイテムを揃えた
フィッシングショーが開催され、
メディアへの露出も増えてくる。
それによって物欲が刺激されるのは明らかで、
正月で散在したお財布には少々気の毒でもある。
また私のように、寒さゆえに釣り場から足が遠のいている
アングラーが多いのもこの時期ではないだろうか?
そんな2月。
この時期に先陣を切り、最もそわそわし始めるのが
渓流アングラーではないだろうか?
通常、日本の渓流では基本的に禁漁期が設けられており、
10月から2月がそれにあたる河川も多いと思う。
(各河川で違いはあるが)
秋口にいったん別れを告げた渓流へ、
再び戻ることができるのが3月。
早く川につかってヤマメやアマゴ、イワナといった
渓流魚と遊びたいアングラー。
もちろん防寒対策をしっかりしているからといって、
寒くないわけではない。
むしろ水に浸かったら最後。
ものの30分もすれば手足の先から感覚はなくなっていく。
そこから腰・背中へと凍結感が忍び寄り、
最後は体温が2度くらい下がっている感覚を覚える。
仕掛けや餌を操作するため、たびたび寒風に
さらされる指先などはたまったものじゃない。
竿を握った手が、たちまちまっすぐ伸ばすことも困難になる。
こんな思いをするのは分かっているのに、好んで残雪まばらな
山奥へ出かける渓流マンは、さながら一流アスリートと
同じなのではないかと、いつも思う。
さて。
2019年も渓流解禁まで残りわずかとなったが、
一足先に川の様子をのぞいてきた。
場所は岐阜県白川町を流れる白川。
ここは愛知・岐阜・三重をまたがって流れる
木曽三川(揖斐川・長良川・木曽川)と呼ばれる河川のうち、
木曽川の支流にあたる飛騨川の、そのさらに支流にあたる。
お茶の栽培や東農桧が有名であるとともに、
鮎釣りフィールドとしても全国に名を馳せている。
私は毎年、妻の実家に帰省する際に必ず
釣り竿を持参し、一人渓流へ出かける。
今回は白川の最下流部、白川町の中心地付近を
川中を想像しながら散策してみた。
飛騨川と白川の合流地点。
川の様子はとても穏やかだが、いかにも大物が
潜んでいそうな気配も感じる。
白川の本流。
シーズン中は鮎師が所狭しと竿を並べる好ポイント。
冬の間は雨も少なく、やや渇水気味だ。
こういうときに、渓相をくまなくチェックしておくに限る。
川へと降りてみた。
悠々と泳ぐニゴイを発見。
(写真中央部、こちらに尾びれを向けている)
この辺りでは川ゴイと呼ぶらしい。
目測で約70cmはあろうか。
渓流では外道扱いされている厄介者だが、
いざ針掛かりした時の引きは凄まじい。
ドラグから糸がジージーと引き出され、
走りを止めるのにも苦労する。
それに簡単に釣れるイメージだが、
いざ近いてみるとスプーク。
しかしうまく接近しルアーを近づけると、
まるでおもちゃを見つけた幼子の用に寄ってくる。
こちらとしても俄然やる気が出てくる。
個人的にはゲームフィッシュとして狙う
好敵手だと思っているが、いかがだろうか?
私は勝手に「Japanese Bone Fish」と呼んでいる。
魚拓は近くの釣具屋に飾ってあるもの。
あまりの迫力に圧倒され、記念に撮影させていただいた。
長さが隠れてしまっているが確か103cmだったと思う。
また渓流マンなら、その下に見えるホルマリン漬けにも
興味が出るだろう。
太く、長い。
魚種は想像にお任せする。
—–
解禁までの残りひと月を切った。
そわそわして眠れない日がやってくるのも近い。
ここだけの話だが、私の渓流解禁は水温が上がる
5月ごろとなる予定。
この横着さがなければ、もう少し多くの渓流魚と
出会えるのかもしれないが、南国出身者にとって
この寒さというモノだけは、どうにもならないのである。
ここで、皆さんのはやる気持ちに火をつける写真を
載せておこうと思う。
解禁直後はサビが残る。
寒いにもかかわらず、水面まで一気に上昇して
毛ばりを喰ってきたアマゴ。
こちらは本流アマゴ。
キレイな魚体だ。
ウグイ。
一般的には外道だが 、なんともキレイな魚体である。
小さいながら本流で育ったその尾びれ周りは
非常に筋肉質で美しい。
初夏には鮎釣りも解禁する。
白川最下流の人気ポイント。
この激流に腰まで浸かる勇気は、私にはない。
少し上流なら、のんびり竿を出せそうだ。