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【愛知県わんださんからの寄稿です】

 

雨上がりの穏やかな日に

新緑が芽生えて、梅雨に入る前の爽やかな空気。

キャンプに釣りに、アウトドアには持って来いの季節。

今回は、星空キャンプを楽しみに、山に車を走らせた。

向かったのは「銀河もみじキャンプ場」。

天体観測のイベントで盛り上がっている長野県阿智村にあり、

星空が日本で一番キレイに見えるキャンプ場として有名なスポット。

まずは、看板犬の「じんた」がお出迎え。ちょっと塩対応だけど、優しい性格の持ち主だそう。

午前中まで降っていた雨もあがり、空はご覧の通り快晴!

このまま夜も晴れてくれれば・・・と星空への期待も高まる。

ひとまず寝床のテントやタープを設営。

まだ晩御飯の料理を始めるには早いので、キャンプ場を少し散歩することに。

キャンプ場の受付まで歩いて戻ってみたら、胸騒ぎがする看板が・・・

 

 

「貸竿、300円」

魚釣りが・・・できる!

週末の度に、魚釣りに行くチャンスをうかがっている私としては、

この巡りあわせを逃すわけにはいかず、

前のめりでポケットから小銭を取り出して、

[わたくしはいっぽんの竿を手に入れた!]

つり竿には、竿と同じ長さの釣り糸と、その先端に小指の先ほどの釣り針がひとつ。

たったそれだけ。

極め付けは、魚を釣るためのエサ。

エサです。と渡されたのは、なんと、ソーセージ!

「これで、さかなが、つれるかな」という小学生の夏休み自由研究でネタにされそうな、

冷蔵庫開けたらたまたま残ってました、という感じの、家庭的エサ。

果たして、これで魚が釣れるのか?

釣り場は、歩いて1分で一周できそうな、小さな池の釣り堀タイプ。

早速、ソーセージを釣り針に刺してみて、そっと水面に落としてみる。

 

いきなりヒットの10秒前

薄ピンクのソーセージが、ふわふわ沈んでいくなーと、ぼんやり眺めていたら、

それがフッと消えて、竿先にグッと手ごたえが!

そこから右へ左へ、小さな池を元気いっぱいに引っ張り回って、

さっきまで悠々と泳いでいたのに、ここまでパワーがあるのか!と驚く。

上がってきたのは約30センチのニジマス。

「そうか。ソーセージでいいんだね。。。」

意外なエサで、簡単に釣れるのが分かったので、

今度は少し肩の力を抜いて、周りの景色を眺めながら、ふわっと2投目に入る。

と、言っても、今度は5秒後にまたニジマスがかかる。

要は、ソーセージを付けて落とす、それだけで釣れてしまうのだ。

つまり、釣りが初めてな人も、小さな子供も、かんたんに魚釣りを体験できることがこの施設の魅力。

男子諸君が、気になるガールズとキャッキャ時間をもてあそんだり、

子供にいいところを見せたいお父さんに、ぴったりハマる。

そんなイージー&フレンドリーな空間なんだ、と思い知る。

「こんなお手軽な魚釣りもいいな」、と思いながら、食べる分の2匹だけ釣って終了。

じんたも、遠くから見守っていた。

 

魚を捌いてみよう

受付でまな板と包丁は貸し出してくれるので、自分で捌いてテントサイトに持ち帰るスタイル。

魚を捌く、と言うと難しく聞こえる人もいるかもしれないけど、最低限の下処理なら簡単。

①エラの辺りに包丁を切り込む(→エラは魚の急所。ここでお命頂戴)

②ウロコを取る

③お腹を切り込んで、ハラワタ(内臓)を取り出す

➃塩をかけて揉んで、表面のヌメリを取る

慣れれば、一匹5分もかからないので、ぜひチャレンジしてみよう。

 

いつものBBQに、華のある一品を

せっかく自分で釣った魚たち。おいしく頂けるように、精一杯料理しよう。

まずはホイル焼き。

ニジマスと適当な野菜を並べて、オリーブオイル、クレイジーソルト、タイムをたっぷりかけて、紅い炭の上の網へ。

あとは熱々になるのを待つだけ。

そしてアクアパッツァ。

まず魚に焼き目をつけて、

(もともとスーパーで買ったイシモチ君の方が目立っている…笑)

あとは野菜と一緒に、白ワインで煮るだけ。

どちらも身がホクホクに仕上がり、川魚の臭みも消えて、本当においしかった。

塩、香草類は多めに振っておくのがおすすめ!

この2本が、大活躍。

 

命にごちそうさま

さっきまで元気に泳いでいた魚を、

夕食として美味しくいただく。

 

新鮮な魚を自分のちからで食材にすることと、

そこから、自然に感謝する気づきを得ること。

 

これは魚釣りの魅力のうちの、大きな一つ。

いつものキャンプに、魚釣りと魚料理をスパイスで盛り込めば、

もっと味わい深い思い出になると思う。

 

星空、本番

魚料理をつまみに、酔いが回って、

暖かい焚火に気持ち良くなって居眠りしかけた頃、

周りが暗くなってきていることに気づいた。

 

いよいよ、本番だ!

見渡せば満天の星空。。。

 

わざわざ引っ張り出してきた一眼レフを、この日ばかりはいろいろ設定を変えながら、

吐く息も白い、冷える山中の夜を過ごす。

毛布を被っていないと、どんどん体が冷えてくるくらいだったけど、

非日常感に静かに心が楽しんでいるのが分かる。

 

「ここまで来て良かったなあ」

 

家からキャンプ地までは遠い道のりだったし、

何もない原っぱから、テントやタープやキッチンを一から設営するのも骨が折れる作業だけど、

こんなシーンに居れることで、その苦労は報われる。

 

再訪を予感しながら

夏が本格化したり、紅葉の季節になったときに、

また違った表情を見たいな、と思いながら、キャンプ場を後にする。

次は、また違った魚料理のレシピも、考えて来てみよう。